季節の養生法(2) 2017.6

 数万年来、農耕を主要な生活手段としてきた中国大陸の人たちにとって、農耕に大きく影響する四季の変化は大事なことでした。四季の変化によって食物が育つ。 このようなことから東洋医学最古の医学書といわれる黄帝内経では、春夏秋冬のそれぞれの季節の働きがあらゆる生命活動に影響すると考えられています。それは植物だけでなく、人間や動物、ありとあらゆる生命活動にです。自然の流れに従い、季節ごとの変化に合った生活を送る事が身体に大事だと考えたわけです。例えば日が短い冬は夜も早いので早く寝て、遅く起き、日の長い夏は少し遅く寝て早く起きる、といった具合です。  夏の養生法(夏の3ヶ月はおおよそ5月から7月をさします。) 夏の間は天地間に陰陽の気が盛んに交流する。陽気が多く発生するので万物がどんどん成長する。夜は遅く寝朝は早く起きる。日の長さと暑さを厭う事なく物事に怒らず気持ちよく過ごすべきである。つまり、夏の満開した花と同じように、体内の陽気をほどよく発散させる。これに背くと夏の気である心気(現代の循環器・中枢神経系をさす)が傷み。すると秋になって瘧(おこり。間欠的に発熱し悪寒や震えがでる病。)になるのである。 夏は陽気が最も盛んになります。陽気を体内に取りこむのはいいのですが、適度に発散させないと身体にこもってしまい病の原因となります。暑い夏ですが適度に動いて適度に汗をかいて、陽気をほどよく発散しましょう。とはいえ熱中症には十分注意して下さいね。
関根達也
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