野球肘に効果的なトレーニング~その2 2017.5

 こんにちは。理学療法士の澤木です。 今回は前回の続きで、野球肘のトレーニングについてです。前回、どんなトレーニングがいいのかをお話ししたと思いますが、肩や肘の負担を減らし、しっかり投げられる身体を作るための考え方とトレーニングを紹介したいと思います。 それは背骨のトレーニングです。これは身体全体を使ったしなりを作るためには大切な部分になってきます。以前にもお話ししましたが、身体全体を使ったしなりは胸を張った体幹部のしなりも大切になります。その体幹部のしなりを作るためには、背骨の一つ一つがしっかり動くことが必要です。 背骨は大きく分けて首から胸、腰と3つの場所からなり、首には7つ、胸には12つ、腰には5つの背骨があります。体幹部のしなりを作るためにすべての背骨の動きが重要となってきますが、特に胸の背骨の動きをしっかり出すことが大切になってきます。この胸の背骨の一つ一つが前に動いたり、後ろに動いたりすることによって、体幹部の動き、つまり身体を反ったり、丸めたりができるのです。ですのでトレーニングではこの反ったり、丸めたりの運動を背骨の一つ一つがちゃんと動いているのか確認しながらトレーニングをします。 例えば、四つん這いの姿勢から胸の背骨を天井に向かって突き上げたり、逆に床に向かって降ろしたり・・・。そのような運動を背骨の動きを確認しながら行っていきます。行う際にはしっかりと一つ一つの背骨が上に突き上げたり、下に下がってきたりと、背骨の一つ一つが動くように意識して行いましょう。そうすることで動きづらかった背骨もだんだんと動き出してきますので、柔軟性と可動性がアップしますよ! また、この運動に伴って背骨のすぐ近くにある肩甲骨も動き出したり、骨盤の動きも出てきたりと、体幹部全体が動けるようになり、体幹の柔軟性や可動性がよくなって投げる時の身体全体のしなりが生まれるようになるのです。 このように肩や肘の負担を取るためには腕や肩、足だけでなく、体幹部の柔軟性、動きにも注目してみましょう!それだけで肘の痛みが減ります。試してみてください!
澤木弘之
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