寒さに負けない身体作り 2017.1

 本年、最後のリハビリコラムは有本が担当させて頂きます。 年末も差し迫っており、寒さが厳しくなって参りましたが、寒いと血流、血圧や体温に影響し、その結果、体調に影響します。寒さに負けない身体作りをして、冬を乗り切りましょう。 栄養を摂取して、体内で適切に代謝をする事が、ウィルスや細菌に負けずに日常生活を生きていく上では大切ですが、その為には身体の深部の温度は37度程となっている事が必要とされています。高すぎても低すぎても代謝機能を阻害してしまうので、外気温の変化に身体が適応する必要があります。 身体の熱は血液にのって全身を巡っており、運動直後や外気温が高い時(体内の熱が多すぎる時)血管が拡がって熱放散を行い、逆に体内の熱が少なく外気温が寒い時は熱が奪われないように末端の血管が縮み込みます。 寒い時は末端への血流量が低下し、手足等が冷えてしまいます。また、血圧は心臓から全身に拍出する圧力と、末端の血管抵抗によって決まるので、末端の血管が縮まることで血圧上昇への影響も考えられます。 日常生活で言えば、温かい浴室から急に寒い脱衣所へ移動した際に血圧変動が著明になることがあるのも、外気温の変化に伴って血管の収縮が起きている影響が考えられます。 そこで、急な外気温の変化に身体をさらさないように、エアコンやストーブ等で気温の調整をする事や、こまめに衣服の着脱等で体温の調整を行う事で身体の負担を軽減する事は可能です。しかし、それらの対応のみでは自身で熱を新たに産生する事にはなりません。 運動を行う事で身体の中から温めて、血流量を増加させ、代謝を良好にさせる事で、風邪に負けない身体を作り、冬を元気に乗り切ることも出来ると思います。 寒い中、外に出て運動をするというのは気分が乗らないかもしれません。しかし、運動を始めると身体がポカポカしてきて、冬の寒さの辛さが楽になる事を経験されたら、冬の運動に対する印象が変わるかもしれません。ただし、ご病気等の関係で、血圧や関節痛等の問題があり、主治医の先生から注意が促されている場合は、注意事項を優先なさって頂けると助かります。 基本的には、運動負荷は軽く汗ばむ程度で、息苦しさや胸の苦しさ・関節痛等無く、怖さが無く取り組める事が運動のポイントになります。運動方法としてはウォーキングや自転車漕ぎなどが望ましいと思われます。 寒さにより身体が縮こまったままの運動は、怪我の原因にもなるので、十分に柔軟を行いましょう。服装は、運動前に身体を冷やさないように風を通さず、暑くなったら脱げる動きやすい薄手の上着を羽織ります。運動中、身体が温まってくると汗をかいたままにしていると、身体を冷やしてしまう恐れがあるので、汗を吸収・蒸発するウェアやタオル等で対応することをお勧めします。
有本竜也
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