今回は秋は「肺」を潤そう!についてお話しします。
こんにちは。
鍼灸・マッサージ師の関根です。
これまでも何度かお話ししていますが、東洋医学では自然界の変化(あらゆる環境の変化)と人体の状態は密接に関係していると考えられています。そのため、季節の変化は五臓六腑にも影響があります。季節ごとに、活発に働きかつ影響を受けやすい臓腑があり、秋は「肺」「大腸」です。「肺」は体の最上部かつ再外層にあり外気と直接関わる臓器なので、外からの影響を特に受けやすいです。そして「肺」は乾燥を嫌い、潤いを好みます。ですから乾燥してくる秋に最初に影響を受けるのが「肺」であり、傷みやすいというわけです。「肺」は乾燥に最も敏感な臓器なのです。さらに「肺」が傷むと「肺」と密接な関係にある「大腸」にも影響が及んでいきます。
東洋医学でいう「肺」の働きは西洋医学の呼吸器系の働きとは違って、全身の気(エネルギー)・津液(水分)の運行、呼吸、免疫、皮膚、憂い悲しみの感情に深く関わっています。
「大腸」は西洋医学と同じような働きと考えられています。
「肺」が傷んで働きが弱くなった時の具体的な症状としては
◎咳、痰、息切れ、喘息などの呼吸器症状
◎アレルギー性鼻炎、花粉症、嗅覚異常などの鼻症状
◎多汗、無汗などの発汗異常
◎浮腫や排尿障害などの水分代謝異常
◎アトピー性皮膚炎のような皮膚症状
◎疲れやすい、気力がない
◎大腸との関係も深いため便秘や下痢などの排便異常
などがあげられます。
秋の養生法(東洋医学的な)として大事なのは肺を潤すこと。肺を潤す食材としては梨、大根、ゆり根、山芋、豆乳、白ごま、白髪ねぎ、生姜、にんにく、れんこん、大豆、蜂蜜などの白い食材がおすすめです。冷たい飲食を控え温かいものを摂り、体が冷えるのを避けることも大切です。また、「肺」と密接な「大腸」の働きを整えることも大切ですので、発酵食品や食物繊維を摂り腸内環境を整え、常温や白湯などの水分をこまめに摂るようにしましょう。そして秋は憂いの季節。とても内向的になりやすい季節ですので決して無理をせず軽い運動で気を巡らせたり、腹式呼吸や読書などをしてゆっくり静かに過ごしましょう。
鍼灸・マッサージ師 関根 達也
