東洋医学(古典医学)の考え方③ 2018.11

『五行論』 前回までは東洋古典医学の大事な考え方の一つである陰陽について簡単にお話ししました。 今回も東洋古典医学の大事な考え方の一つである、『五行論』についてお話ししたいと思います。 五行論とは自然界のすべてのものを木、火、土、金、水の五つの要素に分類する考え方です。これらはお互いを支配したりされたりする関係になっています。 一つは「相生の関係」で、相手を生み出したり与えたりする関係です。木からは火が生まれ、火からは土が生まれ、、土から金が生まれ、金から水が生まれ、水から木が生まれる。これは木が燃えて火になり、火が燃えると灰(土)になり、土の中には金鉱(金)があり、金鉱から水が湧き出て、水が木を育てるという関係にあるという考えです。木→火→土→金→水→木‥の順番で相手を生み助けています。 もう一つは相手を抑制させ、取り上げる「相剋の関係」です。生み与える相生の関係だけでは膨れてしまうので、それにブレーキをかけるわけです。木は土を剋し、土は水を剋し、水は火を剋し、火は金を剋し、金は木を剋すという関係です。これは木は土の栄養を吸い取り、土は水を堰き止め、水は火を消し、火は金属を溶かし、刃物(金属)は木を切るという関係にあるという考え方です。木→土→水→火→金→木‥という具合で抑制し余分なものを減らしています。 5つに分類された関係は、このような関係性を持ち、弱ったものを補い強いものを抑えコントロールしています。このように強すぎることも弱すぎることもなく五行のバランスは保たれています。        つづく‥ 鍼灸・マッサージ師     関根達也
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