有酸素運動について 2018.1

寒くなると関節痛や筋肉のこわばりが強くなると患者様よりお聞きすることが増える印象がありますが、何故でしょうか? 気温が下がってきますと、身体の熱が奪われないよう、身体の末梢にある細い血管は縮みます。すると身体の末梢への血行が低下し、足は冷え、筋肉は硬くなり易くなります。 寒くなった時は、身体が冷えない様に温かく着込む事も大切ですが、身体の熱生産量を増やす事でも、冷え込みに伴う身体の硬さを防ぐことができます。 身体の熱の多くを生産しているのが筋肉であり、有酸素運動は熱生産や脂肪燃焼を期待出来ます。   では、有酸素運動はどのように行えば良いのでしょうか? 有酸素運動の運動強度の指標としては脈拍数(心迫数)と自覚的運動強度が用いられます。 脈拍数で運動強度を設定する場合、最大心拍数は(220-年齢)で求める事ができ、その何%で求めることができます。最大心拍数の40~60%が運動時の目標心迫数となります。 運動に慣れていない高齢者の方は40%、運動経験者である中高年者の方は50~60%を目安にして下さい。 自覚的運動強度とは、有酸素運動時にご自身が感じる運動の「楽さ」や「きつさ」を指標としています。有酸素運動に効果的な運動強度としては「やや楽」~「ややきつい」と感じる程度が良いとされています。 運動内容としては、歩行やジョギング、サイクリング等が挙げられます。いずれ運動もお尻やお腹の奥を力んで骨盤を前に少し傾け、肋骨を顎に向かって引き上げるように上半身の重心を引き上げ、腰に重だるい張りや痛みが無い状態で行うと、身体の深い位置にある腹筋や背筋が使えて有酸素運動を効果的に行えます。 ただし主治医の先生から運動の注意を受けている方や、身体に痛みやしびれなどが生じた方等は無理をなさらないで下さい。 有本竜也
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