季節の養生法(1) 2017.2
東洋医学最古の医学書と言われている「黄帝内経」(こうていだいけい)があります。これは東洋医学発展の基礎となったもので、この古典の解釈は様々で、今なお研究が続けられています。東洋医学の思想や養生法などについて、黄帝と師の岐白(きはく)との問答の形で書かれています。
「黄帝が問う。昔の人は100歳を超えても衰えることはないと聞いたが、今の人はなぜ50歳ぐらいで衰えてしまうのか。」2000年以上も前の人が言う昔の人とは一体いつの時代の人をさすのでしょうか。これに対し岐白は、「その頃の人は養生を心得、飲食に節度があり、自然の規則にしたがって無理な力を使わず生活していた。しかしそれを怠り欲情のまま一時の快楽のために精力を尽くした結果、50歳になると衰える」のだと。このような問答の形で書かれていきます。
しかし、100歳を超えても衰えないとはすごいですね。いくつになっても元気に過ごしたいものですね。そこで、黄帝内経にも書かれている季節ごとの養生法を紹介します。まずは春。
春の養生法:少々の夜更かしはかまわないが、朝は早く起きる。朝、庭をゆったりと散歩し、髪結いをほぐして、体をのびのびと動かす。これは、春に芽生えた万物と同じように、心身ともに生き生きと陽気を発散させ、天地間の陽気を取り込み、自分自身の陽気も養生するということです。これに背くと、夏になって寒性の病にかかりやすくなります。春は早起きをして陽気をいっぱい取り込みましょう。
関根達也