呼吸の大切さについて 2019.1

何気なく行っている呼吸の大切さについて

  息を吸ったり吐いたりする呼吸は、人間が生きる上で欠かせない動作であり、1分間に約15回行っている動作です。上手に深い呼吸を行えるようになると、御身体に良い事が沢山あります。何気なく行っている呼吸の大切さについてお伝えして参ります。   患者様の中には、御病気により全身の筋力が弱くなり、呼吸が浅くなっている方がいらっしゃいます。また、背骨や手足の骨折に伴い身体が硬くなってしまった方、怪我に伴い痛い身体の部分を保護するあまり姿勢が丸くなってしまった方、風邪を引いて咳込むあまりお腹周囲の筋肉が硬くなってしまった方等、呼吸が浅くなり、息苦しさを訴える患者様がいらっしゃいます。全身の筋力低下や姿勢の悪化により呼吸が浅くなる事は望ましくありません。御病気により身体が弱ってしまった事や、怪我をした部位(患部)を安静にした結果、日常生活において使用される筋肉に偏りが生じ易くなります。   正しく深い呼吸が行えるようになると、手足や体幹、頭の位置が正しい位置に戻りやすくなります。すると、胸部や腹部、手足や頭に付いている筋肉がしなやかになり、身体の硬さ・筋力低下の改善をし易くなります。手足の問題だけでなく、声がよく出て、飲み込み動作がし易くなる事、痰を出しやすくなります。   呼吸をする上では、胸部や腹部に十分に空気を取り込めるだけの、全身の柔軟性が必要になります。痛みが無く心地よい範囲で首、肩、肩甲骨、骨盤、手足周囲の筋肉を十分にストレッチして呼吸の準備をすると、呼吸動作がスムーズに行い易くなります。例えば、肩甲骨周囲の筋肉のストレッチの一つとして、両側の肩甲骨の内側を引き寄せるように胸を拡げます。首周囲の筋肉のストレッチとしては左右に傾ける動作や、捻じる動作を行います。手足周囲の筋肉のストレッチとしては、上向きで寝た状態で、手足を体幹から遠くへ伸ばします。   呼吸の動作では、鼻から息をたっぷり吸って、胸部や腹部に空気を十分取り込みましょう。息を吐き出すときには、口をすぼめて、吸った時の倍の時間をかけて、ゆっくりと息を吐いていきましょう。主治医から説明されている治療の注意点を優先し、痛みや息苦しさのない範囲でお試し下さい。 有本竜也
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