「野球肘」について~その2 2016.12

 こんにちは。理学療法士の澤木です。 前回の7月に引き続き「野球肘」についてお話ししたいと思います。前回は症状や原因を中心にお話しました。今回は「どうすれば肘にストレスがかからない投げ方になるのか?」をお話ししたいと思います。 まず答えから言うと・・・  「身体全体でしなる」 という投げ方です。 どんな投げ方かというと、腕がしなる瞬間、つまり腕が一番加速する時に足先~骨盤・体幹~腕~指先まで全部でしなるということです。ワインドアップからステップ脚を前へ踏み出し、その後、加速する瞬間がきます。この時に軸足の足首から股関節までしっかり伸び、骨盤からお腹、胸までも反っている状態を作り、これに加えて肩から肘、手首までもしっかり反っていることで、身体全体のしなりが使える投げ方になります。横から見ると英語のCのようなカーブを足首から手首まで形作ることになります。

 「なぜ、身体全体のしなりが大切か?」

 なぜかというと、腕だけの場合と身体全体の場合では、しなりの大きさに違いが生まれます。しなりは大きいほど戻ろうとする力が強くなるので、球速アップ、パフォーマンスアップにつながります。これを腕だけのしなりで行うと小さな力のため、球速もパフォーマンスも上がりません。これが指導者の方がよく言われる「腕だけで投げるな」です。腕だけで球速を上げようとするとより多くの力や腕だけのしなりを使う必要があるため、肩肘に負担がかかり、故障の原因になってしまいます。この点を注意して、腕だけで投げていないか?身体全体で投げているか?をチェックしてみましょう! このように、パフォーマンスを上げるためにも、障害予防のためにも「身体全体のしなり」を使って投げることが大切だということがわかったと思います。「身体全体のしなり」Cカーブを意識してフォーム作りをしてみてください。
澤木弘之
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