こんにちは、理学療法士の有本です。
今月のリハビリコラムは脊椎圧迫骨折について取り上げてまいります。
脊椎圧迫骨折とは、背骨の骨の前側にある椎体という部分が圧迫され潰れてしまう骨折です。骨粗鬆症のある高齢者に多くみられます。稀に転落によって若年者に生じることがあります。また、他の病気により背骨の骨の強度が落ちている方にも脊椎圧迫骨折が生じることがあります。
骨粗鬆症によって骨が脆くなった高齢者の多くは、腰を落として尻もちをついたときに、脊椎圧迫骨折を生じます。いろんな状況で腰を落とすことがあると思いますが、椅子に座る時は、腰への負担軽減の為に手で椅子の座面を確認して確認して座り、畳に座る時もまず手で畳の表面に手を置いてからゆっくりと座り、腰への負担が無いように行うのが良いと思います。
それでは、脊椎圧迫骨折に戻りますが、症状としては、腰背部の痛みや、受傷した脊椎の変形、まれに下肢の麻痺が生じることがあります。
一般的には身体を丸める動作や捻る動作は患部に負担をかける可能性があるので、生活動作の寝返りや立ち上がり、着座に注意を要するケースがあります。
患部の状態が改善傾向になったうえで、お身体の痛みや関節可動域制限、日常生活動作の制限が生じている時にリハビリテーションが開始される場合があります。
その際には、ご無理がない範囲でストレッチや筋力トレーニングをご提案し、機能改善を図っていけたらと思います。