こんにちは、理学療法士の有本です。

今月は肩関節周囲炎についてお伝えしてまいります。

肩関節周囲炎とは40代、50歳代を中心に発症が多く、肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の総称です。原因は不明ですが、肩周囲の筋肉や軟部組織が加齢などにより炎症を生じることが要因と考えられています。

症状は、肩周囲の痛みと動きの低下です。前や横から腕を上にあげる動作や、髪を結く動作・腰に手を回す動作・更衣などの日常生活動作に障害がおきる方が多いです。就寝時の痛みも特徴です。

肩関節周囲炎の病期は、炎症期・拘縮期・回復期に分類されますが、各病期が重なり合うこともあります。

炎症期とは、 急速に強い痛みが生じ、多くの場合、安静時痛・夜間痛を伴います。寝ているときに体幹に対して、上肢が垂れ下がるのも痛みがあり、肩を保護するために上肢の下に腕用の枕を使用したり、前腕をお腹の上に乗せて保護を要することがあります。

拘縮期とは、強い痛みが緩和し、肩の動きが硬くなる拘縮へ移行します。炎症期に生じていた強い痛みは緩和するものの、肩を動かした時に痛みを感じたり、動きの悪さから日常生活動作に不自由を感じることが多くみられます。

回復期とは、運動時の痛みや運動制限が次第に改善する時期です。積極的なリハビリを行うことで、肩の動きの回復が早くなることを期待します。

治療方法に、Drから運動療法が処方されると、リハビリスタッフとの運動が開始されます。運動開始前に普段の生活でどのような動作をすると痛みが生じるかお伺いさせて頂きます。

肩関節周囲炎によって痛みがある患者様の多くは、正常な肩関節の運動様式を行うことが出来ずに、代償動作を繰り返すことになっております。

それによって肩を含め、その他の関節の動きが硬くなり、筋力低下をしている方がいらっしゃいます。すると一層代償動作を行うようになってしまい、痛みが誘発されやすい悪循環に陥っている場合があります。

ご無理がない姿勢や動作ができるように、関節の硬さや筋力低下を改善させ、運動機能を取り戻すために運動療法をご提案させて頂きます。
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