こんにちは、理学療法士の有本です。
今月のリハビリコラムは筋力トレーニングについてお話させて頂きます。
リハビリでは、痛みや関節可動域制限による代償動作を軽減する事で、身辺動作自立度の向上を図ることが多くあります。その改善方法として、何らかの理由によって筋力低下した筋肉の強化が課題として取り上げられる事が多くあります。
筋力トレーニング習慣が無い方の場合、まずは生活リズムの中に筋力トレーニングを少しでもいいので取り入れる事、また患者様が安心感を持って筋力トレーニングを取り組むことがポイントとなります。注意点としては患部や目的部位以外に痛みや痺れ、辛さなどなく、安全である事が挙げられます。その上で、目的とする筋肉が少し疲れる程度の負荷がかかっていれば成功だと思います。
安全に筋力トレーニングを行う習慣がついたら、結果を出すために運動の精度について触れて参りましょう。身辺動作自立度や実用性向上を目指す場合、筋力トレーニングは使い慣れていない筋肉を強化して頂くので、筋力トレーニングは丁寧に行う事が大切になります。
では、どのように丁寧な筋力トレーニングを行えば良いでしょうか?
筋力トレーニングを行う時に、努めて取り組もうと気概が先行し過ぎると、筋力トレーニングの動作を素早く、勢いをつけて行う場合があります。素早い動作の中で筋力低下した筋肉を使うのはとても難しいです。また、筋肉へ適切な負荷をかけにくくなります。逆にゆっくりとした動作は安全に目的部位に力を入れやすくお勧めしたい動作になります。
また、目的部位の筋肉に軽く触れる事でも、筋肉が収縮するときに強張るので患者様自身に筋力トレーニングが成功しているか把握をして頂きやすくなると思います。
ゆっくりと、筋力低下した筋肉を強化する為に筋力トレーニングを行うと、とても疲れます。仮に1セット5回のトレーニングで疲れてしまっても、丁寧に筋力トレーニングを行えている方が、私は成功だと考えます。