投稿日時:2022/08/01(Mon) 12:00
「胸郭の柔軟性」
胸郭とは、体幹の上半身である、肺周囲の肋骨や鎖骨、肩甲骨、胸骨、胸の裏の背骨などで構成されます。胸郭の柔軟性は、肩関節の動きを発揮するうえで、重要になります。
胸郭の柔軟性がなぜ肩関節に関連するのでしょうか。
肩関節の動きは、肩関節だけでは行われておりません。肩の運動の軸として鎖骨が上下し、回転します。また、肩の動きに連動して肩甲骨も回転しますが、肩甲骨は肋骨の上を滑ります。肋骨の動きは背骨とも連動します。
肩に痛みや関節可動域制限が生じると、どうしても問題が生じている部位に注意が向きがちになりますが、鎖骨や肋骨、肩甲骨、背骨の動きが不足していることは、リハビリ中よく確認されます。
胸郭の動きが改善されることで、肩関節の関節可動域が拡大するだけでなく、呼吸が深くなり、疲れにくい身体になる事も期待されます。
胸郭の柔軟性を向上させるための運動として、以下の体操が挙げられます。
・四つ這いで背中を丸めたり、そらす動作
・頭の後ろで両手を組んで、両側の肩甲骨を寄せる動作
・一側の肩を横から挙げて、体側を伸ばす動作
・立った姿勢、または座った姿勢で体幹をねじる動作
呼吸をした状態で気持ちよく胸郭がストレッチされていることが望ましいです。痛みや不安感、痺れなどの不快感があれば決して無理をしないでください。また、主治医からの運動に関する注意があれば、運動許可内で安全に行える運動をご検討下さい。