投稿日時:2018/01/01(Mon) 12:00
膝に水が溜まるということは
真珠を作る原理と極めて似ているということ
養殖真珠を作るとき、貝の腹の部分に真珠の核となる異物を入れます。貝はそれが苦痛で真珠層になる液を出して異物を球形にして痛みを軽減しようとします。痛みの結晶があの美しい塊、貝が自分の痛みから流す涙のような生理現象の結果が、すなわち真珠です。
膝はお皿の下に関節包という袋を持っています。この中に膝の骨や軟骨も含まれています。膝に負担がかかって軟骨や骨が炎症を起こして腫れてしまうと、体重がかかった時など炎症部位が直接当たるので何とか負担を減らそうとします。そこで、膝の袋に水を溜めて浮力を効かせるわけです。こうすると、痛い場所が直接当たりにくくなります。これは人が痛みから守ろうとする生理現象の一つなのです。
ここで、膝の水を抜いてかえって痛みがひどくなったという経験をお持ちの方、いらっしゃるはずです。それはクッションがなくなったからですね。ある程度の水ならば抜かないで炎症を治す治療を優先したほうがいいと思います。炎症が引けば自然と水は吸収されることも多いからです。ただし、あまりにも水の量が多いと抜かなければ吸収しないし、痛みの原因にもなります。その見極めは、整形外科医にお任せください。
膝の水も真珠も自分の身体を守ろうとする生理現象としては同じようなものです。ただし、膝の水は真珠のように高くて価値のあるものにはなりませんね。