投稿日時:2025/04/18(金) 03:53

令和7年4月18日 2025年
ドクター松林の「待ったなし」

「僕が勉強をしなくなったわけ」 第32回(すべての勉強を続けて行きたい人のために)
「まだら完璧主義者11」
●風呂にはいる順番のしきたりは、かなり完璧に管理されていて、例えば父が医師会の理事会で  家を早く出る時には、「やすともちょっと来なさい」と言われ、風呂に連れていかれ湯張りして  ある表面に人差し指をちょっとつけて、「よし、もう風呂に入ってもいいぞ」と言って、頭をな  でてくれた。人差し指だけ一番風呂に入った形であるが、なんとめんどくさいしきたりであろう  か。こんなことを今子供にしたら多分「うっざ、きもい」とか言われて完全に嫌われるだろう。  
●父にとっては風呂順はかなり大切なことだったんだろう。ただ、僕にはあまり意味のない事柄  としか思えなかった。家の2軒隣に床屋がありそこに月に1回僕と父は散髪に行った。いや嫌  だけれども連れていかれた。まず父が髪を切ってもらうのであるが、決まって「ちょっと今日は忙しいから20分で終わらせてください」と床屋のおじさんに言うのである。しかも毎回。でも  既に父の髪は薄く、ひげを剃ってもらっても20分かからないのではないかと子供ながら思ったが、口が裂けても言わなかった。
●父のカットが終わると次は僕の番である。決まって坊ちゃん刈り、有無を言わさずである。坊ちゃん刈りとは、まず後ろはバリカンで刈る、前髪がポイントで眉毛より2~4センチ上できっちりと揃えるのである。床屋のおじさんはすごく明るくていい人だったが、ビア樽みたいに太っていて愛嬌があるおじさんだった。でも前髪を揃えるのはものすごく完璧を求めた。1ミリでも  1本でも長さが違うと冷たい柄の長い鋏を額にあてて切りなおす、そしてまた切りなおす、だいたい約10回繰り返す。そのたびに「坊ちゃん、動かんでよ」と言われる。耐え難い苦痛とその鋏の冷たさが嫌でそこから僕は床屋が嫌いになった。父が20分、僕は1時間カットの時間、いい迷惑である。

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