投稿日時:2024/09/06(金) 12:43

令和6年9月6 日 2024年
ドクター松林の「待ったなし」

「僕が勉強をしなくなったわけ」 第18回(すべての勉強を続けて行きたい人のために)
「赤ちゃんカフェテラス」
●家の中は女性7名の中に僕一人かわいい赤ちゃんが出現したため毎日毎日ひっきりなしに母を はじめいろいろな女性にかわいがられた。そうすると必然的に赤ちゃんながらわがままになって くる。やっとハイハイが出来て少し歩けるようになったころだろうか、伝え聞くと僕は普通にミ ルクやご飯を食べさせようとしてもあまり食べなくなったそうだ。どうやらつまらなかったらし い。そこで仕方がないので家の表玄関、要するに診療所の入り口付近に食事用乳母車を置いて食 べさせたそうだ。そうしたら僕は喜んでニコニコしながらやっとこさ食べたらしい。1時間もか けて。その間家政婦さんか看護婦さんは付きっきりだった。

●なんというわがままな赤ちゃんだろう。いってみれば今では当たり前にある、オープンのカフェ テリアみたいな状況で食事をすることを好んだということ。今でも僕はオープンカフェテラスが 大好きである。僕は赤ちゃんの時から行きゆく人たちを見ながらニコニコして愛嬌をふるまった り、電車通りの広電の路面電車を見てのどかな雰囲気にひたったり、2車線の道路を行き交う車 に興味を惹かれながら、やはり大人になってからも車大好き人間になったのはこの赤ちゃんカフ ェテラスのせいなのかもと思ったりもするわけです。

●こうして僕のカフェテラスは記憶にはほとんど残っていないものの実家に帰ると白黒のアルバ ムを見ながら母に聞いて笑い転げるいいストーリーにもなっているのです。人は食事をしながら 見聞きしたものはとてもよく覚えているそうですが、この赤ちゃんカフェテラスで毎日のように 見た光景は、いやそこにいた人達は今、時を超えてどうしているのだろうかとか、あの時走って いた車の形は今やずっと流線形に近づいているのだなあと考えたり、光の中で生きる僕たちの世 界では一瞬の時も留めてくれることを許されない切なさが、今になって万華鏡のように僕の心の 中で光り輝きながら未来に向かってもその恒常性を嬉しくも悲しくも思うのです。

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