投稿日時:2024/10/04(金) 12:38
令和6年10月4 日 2024年
ドクター松林の「待ったなし」
「僕が勉強をしなくなったわけ」 第20回(すべての勉強を続けて行きたい人のために)
「冬の葡萄」
●僕が小学生低学年のころ、12月ころだっただろうか、流行性感冒(いんふるえんざ)にかかり、 学校を休んだ時の話である。熱が1週間も続き僕は家の寝室でひたすら寝込んでいた。何も食 べる気もせず、母がおかゆを作ってくれたり、卵焼きや梅干しを持ってきてくれたが、全然食 欲がわかない。たまに本を読んだりテレビを見たりもしたが辛くてすぐに寝てしまう。4日ほど 休んだところで同じクラスのみんなが10人くらいお見舞いに来てくれた。縁側まで来て一斉に 「松林君はよう元気になって学校来いやー」と大声で叫んで励ましてくれた。珍しい見舞いの方 法ではあるが嬉しかった。
●僕があまりにご飯を食べないので母が心配して「何か食べたいものはないの?」と聞いた。僕は 弱々しい声で「ブドウが食べたい」と言った。母は「じゃあ何とかみんなで広島中の店を探して みる」と言った。もちろん昭和40年代真冬にブドウなんて売っていない、現代と違うのだ。今 は冬でも何らかのブドウはどこかに売っているものだが、昔はありえない。でも僕は期待した。 何故かというと果物の中でもブドウが断トツに好きだったからである。こんなに具合が悪くても ブドウなら食べられると思った。
●そして本当に母や家政婦さんやおばあちゃんや看護婦さんで広島中の果物屋を探してくれたら しい。その日の夕方、僕の寝床に母が来て「ヤストモさんブドウがあったよ、看護婦さんが見 つけてきてくれたよ、ほら食べなさい」と言って目の前に出してくれたのは、確かにブドウだ ったが、いやでも違う。なんと「干しブドウ」だったのである。僕は心の中でガクっとなり坂 道を転げ落ちるような感覚に見舞われた。同じブドウでも全く別物であり、しかも僕は干しブ ドウはあまり好きではなかった。でも僕は嬉しかった。だからおいしそうにその干しブドウを食べ干した。なんてみんな優しいのだろう、こんな冬の寒い中僕のために本物のブドウよりももっと素晴らしいブドウを買ってきてくれたのである。今でもウイスキーのつまみに干しブドウが出るたびにそのことを思い出し心が満たされる。人の心の優しさってずーっと覚えているものなんですよ。
●10月31日、三遊亭金太郎さんによるマッジクショウ前座の寄席、チケット受付 開始しました。院内にて無料でお渡しします。詳しくは当院までお電話ください。 在宅の方もご希望の方はご連絡ください。送迎させていただきます。
●開業以来24年間続いている心のこもった優しい在宅医療と交通事故専門外来の仁整形外科
ドクター松林の「待ったなし」
「僕が勉強をしなくなったわけ」 第20回(すべての勉強を続けて行きたい人のために)
「冬の葡萄」
●僕が小学生低学年のころ、12月ころだっただろうか、流行性感冒(いんふるえんざ)にかかり、 学校を休んだ時の話である。熱が1週間も続き僕は家の寝室でひたすら寝込んでいた。何も食 べる気もせず、母がおかゆを作ってくれたり、卵焼きや梅干しを持ってきてくれたが、全然食 欲がわかない。たまに本を読んだりテレビを見たりもしたが辛くてすぐに寝てしまう。4日ほど 休んだところで同じクラスのみんなが10人くらいお見舞いに来てくれた。縁側まで来て一斉に 「松林君はよう元気になって学校来いやー」と大声で叫んで励ましてくれた。珍しい見舞いの方 法ではあるが嬉しかった。
●僕があまりにご飯を食べないので母が心配して「何か食べたいものはないの?」と聞いた。僕は 弱々しい声で「ブドウが食べたい」と言った。母は「じゃあ何とかみんなで広島中の店を探して みる」と言った。もちろん昭和40年代真冬にブドウなんて売っていない、現代と違うのだ。今 は冬でも何らかのブドウはどこかに売っているものだが、昔はありえない。でも僕は期待した。 何故かというと果物の中でもブドウが断トツに好きだったからである。こんなに具合が悪くても ブドウなら食べられると思った。
●そして本当に母や家政婦さんやおばあちゃんや看護婦さんで広島中の果物屋を探してくれたら しい。その日の夕方、僕の寝床に母が来て「ヤストモさんブドウがあったよ、看護婦さんが見 つけてきてくれたよ、ほら食べなさい」と言って目の前に出してくれたのは、確かにブドウだ ったが、いやでも違う。なんと「干しブドウ」だったのである。僕は心の中でガクっとなり坂 道を転げ落ちるような感覚に見舞われた。同じブドウでも全く別物であり、しかも僕は干しブ ドウはあまり好きではなかった。でも僕は嬉しかった。だからおいしそうにその干しブドウを食べ干した。なんてみんな優しいのだろう、こんな冬の寒い中僕のために本物のブドウよりももっと素晴らしいブドウを買ってきてくれたのである。今でもウイスキーのつまみに干しブドウが出るたびにそのことを思い出し心が満たされる。人の心の優しさってずーっと覚えているものなんですよ。
●10月31日、三遊亭金太郎さんによるマッジクショウ前座の寄席、チケット受付 開始しました。院内にて無料でお渡しします。詳しくは当院までお電話ください。 在宅の方もご希望の方はご連絡ください。送迎させていただきます。
●開業以来24年間続いている心のこもった優しい在宅医療と交通事故専門外来の仁整形外科
