投稿日時:2023/09/01(金) 05:50

令和5年9月1日 2023年
ドクター松林の「待ったなし」

「東京の街を彷徨う」   
―いざ、新宿歌舞伎町へーその11
●僕らは最新型のゲームに夢中になりながら小銭をつぎ込んでいった。すごい、歌舞伎町のゲームセンターは、ホール自体がまるで宇宙空間のようだ。エキセントリックでエキサイティングだ。いるだけで興奮するし同じゲームでも満足度が違う。日本一ということはこういうことなんだ。一昨日登った富士山も日本一高い山であり、その頂上で日本一高いコーラを飲んだ。僕も何か日本一になりたいと思った。そのためには絶え間ない努力と人よりも何倍も勉強すること、運動して体力と持続力を鍛えることが基本だと考えた。そしてどんなに進んでも常に基本に忠実であること、これも大事だ。
●こうしてパックマンやらインベーダーゲームなどをやっていたらあっという間に1時間が過ぎ た。そろそろケンちゃんとの待ち合わせ場所に行く時間となり、ケー坊とゲームセンターを出た。 まだ空は明るかったがさっきよりも少し薄日になっていた。でも暑い。こんな暑さは病み上がり のケー坊にとっては差し詰め「焼けたトタン屋根の上の猫」のような気分かもしれない。そして 僕らは待ち合わせ場所でケンちゃんと会った。「おーケンちゃん。久しぶり」。ケンちゃん「二人 とも元気か。富士山どうだった」。僕らは「いや富士山最高だったよー」。ケンちゃん「実は俺も 昨日登ってきた。ちょっと暇だったから」。僕たちは驚いた。えーなんと僕たちの1日後に登っ たんだ、一緒に登ればよかったのにねと思いながら顔を見合わせた。
●ケンちゃんは昔からプライドが高かった。誘われなかった以上、僕たちとはどうしても一緒に登らなかったのだと思う。でも富士山には登りたかった。東京で会う前に同じ条件にしておきたかったのだと思う。でも暇だったから富士山というのはさすがにおかしいだろうという感じ。人間 ちょっとしたことでも複雑な思惑がある。それは自分に対する愛なのか防衛本能なのか、あるいは他者に対する虚栄と競争心の表れなのか。3人とも親友ではあるがそこには埋めようのない感情の溝がツンドラのように存在している。このなんとも不条理な、なんとなく気まずい雰囲気は 遠い何万光年の1等星から見るとなんら他愛のない現象に過ぎないものの、多感な青春時代の僕たちにはカフカの城のように愕然と歌舞伎町のど真ん中に佇んでいた。  

●開業以来24年間続いている心のこもった優しい在宅医療と交通事故専門外来の仁整形外科     
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