投稿日時:2023/07/07(金) 06:11
令和5年7月7日 2023年
ドクター松林の「待ったなし」
「東京の街を彷徨う」
―いざ、新宿歌舞伎町へーその8
●新宿に着き、僕らは可能性として病院の多そうな西口に出た。ウワー新宿すげえ、巨大なビルが 立ち並んでいる。特に少し歩くと目の前にそびえ立つ京王プラザホテル(ここの天婦羅屋は無茶苦茶美味い)が印象に残ったが、ケー坊は歩くのがやっとでなんとか早く病院を見つけなければと焦る。やっと白い長方形のいかにも病院という雰囲気の総合病院を見つけた。それにしても暑い、普通でも熱中症になりかねないのに、ケー坊はもう出るものもないくらい吐いて下している。 「着いたよ、ケー坊、僕が受付してくる」。「悪いね松林」と言って玄関のソファーにぐったりと座り込むケー坊。
●受付をして紙コップに水を汲んでケー坊に飲むように促した。僕はケー坊の横に座り病院のロビーを見回した。基本色調は白、ロビーの形もソファーも受付も直線的で蛍光灯が真っ青な光を浴びせながら天井の端から端まで並んでいる。よく言えば清潔で整然とした空間、悪く言えば温かみのない冷たさ、殺風景。でも病人を抱えて苦悶している付き添いの僕からすると、ただ単に冷たい居心地の悪い場所にしか思えなかった。なぜ蛍光灯の光は心を和ませないのだろう、なぜ直線と角ばかりで曲線がないのだろう、そこを足早に通り過ぎていく真っ白な白衣、白衣。病人や苦悶する人の心にとってはもっと不調和音やまどろみ、混沌があった方がいい。なぜならその時僕たちはのどが渇き、吐き気と腹痛の状況とそれを見守る心でかなり心は歪曲しカオスだったから、冷たさと整然はきついわけです。
●精神が追い込まれたときは、穏やかで少しカーブのついた薄暗い混沌と不協和音があった方が和 む。周りにはやはり寄り添ってつらそうな患者さんたちが下を向いてうなだれている。外は暑く ここは冷房が効いて涼しいが、やっと治療していただける安堵感とともにその青い直線の空間は 何とかならないものかと高校生ながら思った。心潤う大自然でも円い水平線、海の青い波、空の 雲の輪郭、山の稜線、月の形、またよどみなく豊かな気持ちにしてくれるバイオリン、チェロ、 サクソフォーン、トランペットいずれも多彩な曲線で構成されている。だから心が和むのか。 直線だけで構成された病院の待合は、僕らの心に愛しみを感じさせないのはそのせいなのかと 今の僕は考え、曲線の美について研究を始めたばかりだ。
●開業以来24年間続いている
心のこもった優しい在宅医療と交通事故専門外来の仁整形外科
ドクター松林の「待ったなし」
「東京の街を彷徨う」
―いざ、新宿歌舞伎町へーその8
●新宿に着き、僕らは可能性として病院の多そうな西口に出た。ウワー新宿すげえ、巨大なビルが 立ち並んでいる。特に少し歩くと目の前にそびえ立つ京王プラザホテル(ここの天婦羅屋は無茶苦茶美味い)が印象に残ったが、ケー坊は歩くのがやっとでなんとか早く病院を見つけなければと焦る。やっと白い長方形のいかにも病院という雰囲気の総合病院を見つけた。それにしても暑い、普通でも熱中症になりかねないのに、ケー坊はもう出るものもないくらい吐いて下している。 「着いたよ、ケー坊、僕が受付してくる」。「悪いね松林」と言って玄関のソファーにぐったりと座り込むケー坊。
●受付をして紙コップに水を汲んでケー坊に飲むように促した。僕はケー坊の横に座り病院のロビーを見回した。基本色調は白、ロビーの形もソファーも受付も直線的で蛍光灯が真っ青な光を浴びせながら天井の端から端まで並んでいる。よく言えば清潔で整然とした空間、悪く言えば温かみのない冷たさ、殺風景。でも病人を抱えて苦悶している付き添いの僕からすると、ただ単に冷たい居心地の悪い場所にしか思えなかった。なぜ蛍光灯の光は心を和ませないのだろう、なぜ直線と角ばかりで曲線がないのだろう、そこを足早に通り過ぎていく真っ白な白衣、白衣。病人や苦悶する人の心にとってはもっと不調和音やまどろみ、混沌があった方がいい。なぜならその時僕たちはのどが渇き、吐き気と腹痛の状況とそれを見守る心でかなり心は歪曲しカオスだったから、冷たさと整然はきついわけです。
●精神が追い込まれたときは、穏やかで少しカーブのついた薄暗い混沌と不協和音があった方が和 む。周りにはやはり寄り添ってつらそうな患者さんたちが下を向いてうなだれている。外は暑く ここは冷房が効いて涼しいが、やっと治療していただける安堵感とともにその青い直線の空間は 何とかならないものかと高校生ながら思った。心潤う大自然でも円い水平線、海の青い波、空の 雲の輪郭、山の稜線、月の形、またよどみなく豊かな気持ちにしてくれるバイオリン、チェロ、 サクソフォーン、トランペットいずれも多彩な曲線で構成されている。だから心が和むのか。 直線だけで構成された病院の待合は、僕らの心に愛しみを感じさせないのはそのせいなのかと 今の僕は考え、曲線の美について研究を始めたばかりだ。
●開業以来24年間続いている
心のこもった優しい在宅医療と交通事故専門外来の仁整形外科
