投稿日時:2023/05/05(金) 05:58
令和5年5月5日 2023年
ドクター松林の「待ったなし」
「東京の街を彷徨う」
―いざ、新宿歌舞伎町へーその4
●次の日に待ち合せる友人はケンちゃんと呼ばれていて誠実、武士道、男に二言はない、武士は食わねど高楊枝、熱血漢これらをミックスしたような男だった。当時森田健作さんの 「俺は男だ」や桜木健一さんの「柔道一直線」などの熱血青春ドラマが流行っていて、どうやらそこらへんに感化されたとしか思えない。あまりにもろにそれを前面に押し出すので、僕たちはちょっと照れくさいやら恥ずかしい感覚を持ったが、本人には言えなかった。 でもすごくいいやつで皆が楽しくなるような雰囲気を持っていた。やはり森田健作さんに あこがれて剣道部だった。
●僕たちは富士山に登ると決めた時、なぜかケンちゃんは誘わなかった。別に他意はなかったがもともとケー坊と二人で計画していたので一人誘うとじゃあもう一人というふうになるのがめんどくさかっただけだと思う。でもケンちゃんはそのことを知り、彼も富士山に登りたそうにしたので、一緒に登ろうかと誘ってみた。しかしながら、それは微妙に 彼のプライドが許さなかったのかもしれない。後誘いはかえって傷つける場合もある。そこでケンちゃんは、「松林悪い、その日はどうしてもやんごとない用事があっていけない。歌舞伎町で会おう」と断られてしまった。でもやんごとない用事は多分なかったような気がする。ただ武士道を自認するケンちゃんにとってはこうして最後の僕らの誘いを断ることに大義を見つけたんだろう。
●明日は歌舞伎町、そこでケンちゃんにも会える。そこでケンちゃんから富士山登山にまつ わる驚愕の武士道話を聞くことになる。それにしても東京ってすごいところだ。富士山か らお茶の水、久我山、由美さん、毎日驚くことばかりで楽しくて仕方がない。あれから 45年光陰矢の如し、うつろいやすい人の運命は美しい香り高い薔薇の花びらを僕たちに 運んできては、ふーっと風で吹き飛ばす、手にしたとたんに薔薇の花びらは宙に舞いその 芳香だけを残して消えていってしまう。そんなことを繰り返しながら時は過ぎ去り僕らはその接点に立ちただ茫然と薔薇の行方を追っているだけなのだ。
●在宅治療で皆様に安心をお贈りします。
ドクター松林の「待ったなし」
「東京の街を彷徨う」
―いざ、新宿歌舞伎町へーその4
●次の日に待ち合せる友人はケンちゃんと呼ばれていて誠実、武士道、男に二言はない、武士は食わねど高楊枝、熱血漢これらをミックスしたような男だった。当時森田健作さんの 「俺は男だ」や桜木健一さんの「柔道一直線」などの熱血青春ドラマが流行っていて、どうやらそこらへんに感化されたとしか思えない。あまりにもろにそれを前面に押し出すので、僕たちはちょっと照れくさいやら恥ずかしい感覚を持ったが、本人には言えなかった。 でもすごくいいやつで皆が楽しくなるような雰囲気を持っていた。やはり森田健作さんに あこがれて剣道部だった。
●僕たちは富士山に登ると決めた時、なぜかケンちゃんは誘わなかった。別に他意はなかったがもともとケー坊と二人で計画していたので一人誘うとじゃあもう一人というふうになるのがめんどくさかっただけだと思う。でもケンちゃんはそのことを知り、彼も富士山に登りたそうにしたので、一緒に登ろうかと誘ってみた。しかしながら、それは微妙に 彼のプライドが許さなかったのかもしれない。後誘いはかえって傷つける場合もある。そこでケンちゃんは、「松林悪い、その日はどうしてもやんごとない用事があっていけない。歌舞伎町で会おう」と断られてしまった。でもやんごとない用事は多分なかったような気がする。ただ武士道を自認するケンちゃんにとってはこうして最後の僕らの誘いを断ることに大義を見つけたんだろう。
●明日は歌舞伎町、そこでケンちゃんにも会える。そこでケンちゃんから富士山登山にまつ わる驚愕の武士道話を聞くことになる。それにしても東京ってすごいところだ。富士山か らお茶の水、久我山、由美さん、毎日驚くことばかりで楽しくて仕方がない。あれから 45年光陰矢の如し、うつろいやすい人の運命は美しい香り高い薔薇の花びらを僕たちに 運んできては、ふーっと風で吹き飛ばす、手にしたとたんに薔薇の花びらは宙に舞いその 芳香だけを残して消えていってしまう。そんなことを繰り返しながら時は過ぎ去り僕らはその接点に立ちただ茫然と薔薇の行方を追っているだけなのだ。
●在宅治療で皆様に安心をお贈りします。
