投稿日時:2023/03/03(金) 02:15

令和5年3月3日 2023年
ドクター松林の「待ったなし」

「東京の街を彷徨う」   
―なんと麗しき愛しき人よーその25
●由美さんのこのシリーズはここで一度中断することにするが、未だにケンタさんとの連絡は続いているため、今までしたためておいた情報と新たなネタが入り次第更新していくことになると思う。決して残念がらずに期待していただきたい。そしてあの晩、すでに夜の9時を回っていて心地よいBGMとともに10時近くになるころ、「Von」での食事を終えてまどろんでいると、ケー坊が「そろそろ松林、帰ろうか。明日は朝早くから代ゼミがあるし」と言ってきた。
●僕にはそれを積極的に断る理由もなく、本当はもっともっと由美さんと一緒の空間にいたかったしこのアンニュイな大人の空間の中にどっぷりとつかっていたかったが、そんなこと口に出せない自分がいた。そしてケー坊はおじさんとケンタさんに「ごちそうさまでした、おいしかったです、おやすみなさい。また来ますね」と言って席を立った。僕も極力広島弁が出ないように言葉を選択して「ごちそうさまでした、おやすみなさい」とだけ言った。全く広島弁を隠すのに大変だった。今ではあえて広島弁を使うくらい愛着をもち誇 りに思っているのに。
●そこにおじさんが「ケー坊、このハンバーガー二人分持って行ってよ。明日の朝ごはんだ よ。暑いから冷蔵庫に入れときな」と言って茶色い紙袋に無造作に入れて手渡してくれた。 後でこのハンバーガーにまつわるとんでもない事件が起きることなど僕たちには知る由 もない。そして名残惜しい気持ちを引きずりながら僕たちは店を出た。暑い蒸し暑い。 あの日あんなに暑くなければ。  

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