投稿日時:2023/12/01(金) 03:38

令和5年12月1日 2023年
ドクター松林の「待ったなし」

「僕が勉強をしなくなったわけ」第3回(すべての勉強を続けて行きたい人のために)

●学級委員長になってから、やけにみんなが集まってくるようになった。それまでも友達は少なく はなかったが、風邪で休んだら花を持って4~5名が見舞いに来てくれたり、さまざまなモテ方 だった。そんな中に野村君というひと懐っこく、見た目がおさるのジョージ風の友達ができた。 いつも何かにつけ僕のそばに来て「おーい松、じゃんけんしよう」とか他愛ないものだ。ある日、 野村君を見て驚いた。なんと首の真ん中に梅干しがセロテープでぐるぐる巻きに貼り付けてある ではないか。「どうしたんや、その梅干しは」と聞いてみた。
●野村君「わし、風邪ひいとるけえばあちゃんに貼られた。咳がとまるらしい」。僕はこれじゃあ 風邪は治らないと思った。きっと、いや間違いなく。僕「それで、咳は止まったんか?」野村君 「いや、ひとつもようならん」と咳き込みながら言った。やっぱりね。これはいわゆる民間療法 だ。標準治療ではない。それから2カ月後、今度は野村君が手に葉っぱみたいなものをまたセロ テープで貼ってきていた。
●僕「どうしたんや、その手の葉っぱは」野村君「やけどして、ばあちゃんにアロエの葉を貼られ た。これで治るらしい」。僕は治らないと思った。これも怪しい療法かもしれない。
●野村君にまつわる話は山ほどあるが、これはまた後日にしておこう。そして僕と大友さんは1年 の3学期も、2年生になってもずっと毎学期、対抗馬もなく満票で学級委員に選ばれた。いわゆ る無風区における信任投票みたいなもので、じゃあ選挙などしなくてもいいのではないかと言う なかれ、選挙によって禊を受けることが民主主義にとっては重要なことなのだ。そうして僕たち は3年生になり4クラスとも完全に組み替えである。新しい担任の先生は50代の浅黒い顔をし た、強面のやせ形の男の先生。見た目が恐かった。最初の話でまた僕らはビビった。「俺はフィ リピン戦線で軍曹をやっていた。その時受けた銃弾が右の肩に残っている。弾が突き抜けたから 命は助かったが、寒い日は今でも痛いぜ」。こんな戦争の爪痕が昭和40年代になっても日常に あふれていたのだ。

【民間療法】広島には民間に伝わった療法(Wikipedia)
【標準治療】科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の 一般的な患者さんに行われることが推奨される治療。
【無風区】波乱や形勢の変動がなく、実施前から当選者、落選者の別が確実視されている選挙区。(goo辞書)

●今年は12月29日午前中まで診療いたします。また来年は1月4日から通常通り診療いたし ます。よろしくお願いいたします。      

●開業以来24年間続いている心のこもった優しい在宅医療と交通事故専門外来の 仁整形外科  
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