投稿日時:2022/08/19(金) 03:12

令和4年8月19日 2022年
ドクター松林の「待ったなし」

「東京の街を彷徨う」   
―なんと麗しき愛しき人よーその13

●ビージーズの「愛はきらめきの中へ」が流れてきたときその衝撃は突然起こった。マスターが「ああそうだ、由美ちゃん今日ね、ケー坊が来てるんだよ。あのちびっこケー坊が」とおもむろに言った。由美は店の中を見回しながら「えーどこどこ、どこにいるの」焦ったよう探している。彼女のすぐ後ろにいる僕たちに気づかない。と思ったら彼女は後ろを振り向き僕たちを見つめ「あーえーもしかしてケー坊、こんなに大きくなったの。お姉さんびっくり、この前会ったのは小学生でこんなにちっちゃかったのに」と言っていきなり僕と友人の間の席に移動してきた。 
●彼女はカクテルグラスを持って「ここに座ってもいい?」と言いながら僕の左横に座った。心臓がのどから飛び出るというのはこういうことだろう。僕の心臓は高鳴り、深呼吸をするのがやっとで、こんな麗しの美女がこんなに近くに来たことがないため、心の中で混乱し、自分はもしかして「思い出の夏」や「青い体験」の主人公になった気分に陥ってしまった。なんと青春である。若いということは感受性が高くていいね。今思えば。でも由美さんは僕の方をちょっと見ただけで後はケー坊にくぎ付けである。「ケー坊、お友達とど こに行ったの?」と由美が友人に聞く。
●友人は照れているのか恥ずかしいのかとてもぶっきらぼうな返事と態度であった。ケー坊、「はい、昨日富士山に」なんと簡単な返答。でも由美さんはそれがまたたまらなくかわいいらしい。「へーすごいわね。広島から来たの?」と言いながらケー坊をなめるように見つめていた。僕はかなりうらやましかった。それとともにいつ彼女が僕に話しかけてくるか正直緊張のピークに達していた。

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