投稿日時:2022/07/01(金) 07:59

令和4年7月1日 2022年 ドクター松林の「待ったなし」

「東京の街を彷徨う」   
―なんと麗しき愛しき人よーその11
●孤独の中に生きている大人たちの会話を聞きながら高2の僕は胸が熱くなった。早く大人になりたい。中央フリーウェイが流れ始めてちょび髭はおもむろにハイライトに火をつけた。その時由美が「私、ユーミンの曲の中ではー」と言いかけたとたん、ちょび髭がそれを制止して「わかったその先は言わないで由美ちゃん。当てるから、ユーミンの曲の中では唯一好きな曲でしょ」。由美「えーすごい当たってる」。マスター「そうだよね、ユーミン好きな女性とアンチユーミン派で二分されるよね」。煙をくゆらせながら、ちょび髭「アンチユーミン派は曲を聴こうともしない。その代わり熱狂的ユーミンファンはコンサートでどこでも追っかけるし、ずーっとユーミンの曲流しっぱなし」。 
●マスターはロングホープに火をつけながら「国民的歌手だからその中間がいないんだよね―。ユーミンって僕は大好きだけど、由美ちゃんはアンチ派だねきっと」。由美「普段聴かないわね。でもこの曲は好きよ。なんだか未来志向があってさわやかでドライでいいじゃない、あんなドライブしてみたいなー」。ちょび髭は深く煙草を吸いこみながら言った。「由美ちゃん、今度中央フリーウェイドライブしようよ、僕のカローラで どう?」。由美「考えとくけど、確か光村さん彼女いたんじゃない?」。ちょび髭「ついこの前別れたんだよ。彼女はユーミン熱狂派だったけど」。由美「え?ユーミンが原因で別れたの?」ちょび髭「いやいや、じゃなくて洗濯の仕方とか歯ブラシの置き方でね大喧嘩になって」。由美「意味わかんない」。マスター「この人潔癖症でね。洗濯は下着と洋服別々じゃないとダメ、歯ブラシは他の人のとちょっと触れただけでも捨てちゃうんだって」。由美「えー私も無理だわ」。どうやらちょび髭さん必死にこの美しい由美さんを口説いて いるようだった。でもこのユーミンの話は高校生の僕にはピンとこなかったけどそれから3、4年後には身に染みて女性と付き合う時の重要な事項となることを当時の松林君はまだ知らない。  

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