投稿日時:2021/06/18(金) 11:20

令和3年6月18日 2021年
ドクター松林の「待ったなし」

「富士山ブラ歩き」
エピソード5
―山頂へー
●あまり面白くもないし景色も趣にも欠ける登山道ではあるが、その日は非常に天気がよくて視界良好で景色はよかったことが救いだった。聞くところによるとそんなに天気がいい状態での登頂は富士山では期待できないらしい。大概ひどい気象状況に巻き込まれてあえなく登頂断念も多いということを後で知った。私たちが少し登っては5分休むを繰り返しながら進んでいくと遠く下の方に先ほどの車いすの一行が見えた。みんなで車いすを持ち上げながらの登頂である。「頑張ってくださいよ」と思いながらまた休憩。
●午前6時に登り始めて既に5時間、まあ友達と一緒に登るので楽しいしあともう少しで頂上である。登っているときは心は無になる。何も考えないでひたすら目の前の道を進んでいく。それだけでも貴重な時間である。当時は携帯電話もなくGPSもなく家を出たらその瞬間に自由な鳥になれた。今は違う。どこにいても携帯で拘束され、人の都合はお構いなしに電話やメールが来る。こんなのって果たして幸せですか?この時何の連絡も取れず登頂しているときの方が絶対に幸せだと思った。

●便利さとうっとうしさは裏腹の関係であり、人類はどんどん便利さを追求するあまり、本当の自由や幸福がそがれていっているかもしれない。高校2年生の時の自分と今を比べてみると、今の方が年を取った。携帯を持っている。あの頃よりお金を持っている、新しい家族がいる、子供がいる、高2の時の方が自由だ。そう考えた時、富士山を登った時のように、「今」をしっかりと地を踏みしめて一歩一歩歩いて行こうと思った。

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