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リハビリコラム

 当院のリハビリ・スタッフによる新企画の連載記事です。リハビリに関する様々な情報やノウハウをお届けします。

  1. 痛みが少ない五十肩のリハビリ
  2. 鍼治療について
  3. 「野球肘」について〜その1
  4. 「姿勢」について
  5. 秋の体力作り
  6. 現代の鍼灸について
  7. 「野球肘」について〜その2
  8. 寒さに負けない身体作り
  9. 季節の養生法(1)
  10. 野球肘に効果的なトレーニング
  11. 転倒には気をつけて

痛みが少ない五十肩のリハビリ

 皆様、こんにちは。定期的にリハビリスタッフでコラムを発信していくことになりました。今回は理学療法士の有本が担当させて頂き「痛みが少ない五十肩のリハビリ」についてお伝えしたいと思います。

 五十肩の原因は、肩の筋肉や周囲の組織に生じる炎症の関与に因ると考えられています。症状は、夜中に冷えると痛い、腕を上げる動作や髪を結わく動作、腰に手をまわす動作が痛くて出来ない事があり、生活の多くの場面で痛みを経験します。

 普段の生活で何度も痛みを経験するので、痛い部位に注意が向きがちで、肩のみの治療で済むと思う患者様が多くいらっしゃいますが、問題は肩だけでしょうか?

 動かすと痛い肩を保護する為にどのような姿勢になるでしょうか?腕がぶら下がって動かないように、腕をお腹の辺りに持ってくる患者様が多くいらっしゃいます。本来、体幹のやや後ろにある腕がお腹の前にある事で、背中が丸くなります。腰が引けて膝が曲がり、重心が後方になるので、バランスをとる為に顔を前に出します。

 肩の保護にはなりますが、首や胸、体幹は、縮こまった前傾姿勢を常時とるので、肩以外の筋肉も硬くなりやすいです。筋肉の表面は筋膜と呼ばれる膜によって、他の筋肉と連絡しあい、つり橋やテントのように適度な張力を保っているという考え方がありますが、姿勢の崩れからくる他の関節や筋肉への影響の根拠として当てはまるのではないでしょうか。

 リハビリをする際に、訴えの部位を確認した上で、患部の影響で他の部位にも問題が生じていないか確認をすると大抵発見があり、患部から離れた部位からも痛みの軽減や柔軟性の向上が図ることが出来ます。患部以外の部位からリハビリを行うと、患部を傷めるリスクも患者様の不安も少なくて済みます。不安なく取り組める課題を提案すると、患者様はご自身でも積極的に取り組まれるので、リハビリが楽しくなってきます。

 もし個別リハビリをご希望の患者様がいらっしゃいましたら、個別リハビリは、Drからの指示に基づいて実施致しますので、主治医の先生とご相談を宜しくお願い致します。

有本竜也
鍼治療について

 皆さん、こんにちは。鍼灸・按摩マッサージ指圧師の関根です。今回は鍼治療についてお話ししたいと思います。

 皆さんは鍼治療を受けたことはございますか?最近では鍼灸院も増えてきたので「ある」という方も多いかもしれませんね。鍼をやったことがない方は鍼治療に関してどのようなイメージをお持ちでしょうか?

 鍼は痛い、恐いなどとお思いの方もいらっしゃるでしょうが決してそんなことはございません。一口に鍼治療と言っても色々な流儀があり、身体の捉え方や治療の仕方は治療家によって様々です。(もちろん基本となる考えは同じです)

 鍼を浅く刺すなどして痛みを少なく治療する先生や、深く刺したり場合によってはかなりの痛みを伴う治療をする先生もいらっしゃいます。ですから鍼をした人の中には「痛くてもうやりたくない」と思った方もいることでしょう。

 どのような鍼治療が良いとは言えませんが、病気で苦しんでいらっしゃる患者様が良くなるのであればと思います。

 ただ、人の感受性は様々ですのでいくら効果があっても、どうしても痛い鍼は耐えられないという方もいるでしょう。

 私が心掛けているのは、いかに痛みがなく効果のある治療ができるかということです。患者様の状態によっては強い刺激の方が効果的なこともありますが、基本的には痛みのない優しい鍼を心掛けています。

関根達也
「野球肘」について〜その1

 こんにちは。理学療法士の澤木です。今回は私の担当ということで、当院にも多く来院される野球少年にみられる「野球肘」についてお話ししたいと思います。私も小さい頃から野球をはじめ、小学生の時にこの「野球肘」になり、大変苦労しました。そんな経験などもふまえてお話ししたいと思います。

 まず野球肘とはどのような状態をいうのかと言いますと、「投げる動作により痛みが生じ、投げられない状態」のことを言います。主な症状としては、
@ 肘の曲げ伸ばしができない(関節可動域制限)
A 肘の部分を押すと痛い(圧痛)
B 投げると痛い(投球時痛)
という症状がみられます。私も3つともあり、「肘がまっすぐ伸びず、深く曲げることも出来なかった」のを覚えています。また、投げると痛くて、監督、コーチにバレないように隠しながらやっていたのを思い出します( ;∀;)

 原因としては様々でありますが、一般的によく言われる「投げ過ぎ」によるものがあり、肘に繰り返し負担がかかることで関節が壊れてしまうという原因となります。またこの野球肘は痛む部位で分けられ、@内側型、A外側型、B後方型と3つに分けられます。

 では、投げる動作でどのような力が加わるのかというと…
投げる動作の中で腕がしなる瞬間、つまり腕が一番加速する瞬間があると思います。その時に肘の関節を外側へ反るストレスが加わります。これにより関節の内側には引き離す力が働き、外側には関節の骨同士をぶつけ合うような力が加わります。この力が繰り返しかかることで関節を壊し、骨に障害が発生してしまうのです。この内側の引き離す力は、内側にくっついている靭帯や筋肉が関節から引き伸ばされ、骨の付着部が剥がれてしまい痛みが生じます。これが内側型です。小学生〜中学生くらいの選手の場合、多くの場合がこの内側型です。先程の@関節可動域制限、A圧痛、B投球時痛の3つの症状が伴うので、この症状があるかどうかをチェックすることが必要です。
@ 関節可動域制限:両肘をまっすぐ伸ばす、または曲げてみて左右差がないか?
A 圧 痛:内側の骨が出っ張っている部分を軽く押して痛くないか?
B 投球時痛:投げる時に肘の内側が痛くないか?
一つでも症状がある場合は肘に負担がかかっているので要注意、3つともある場合は医師の診察をお勧めします。

 一方、外側型は骨と骨がぶつかり合うような力が加わるため、骨自体に傷が付いてしまい軟骨を痛めてしまいます。外側型は痛みが出づらく、症状が進行してから痛みが出てきてわかる場合が多いため、治療に難渋することがあります。厄介なのはこの「症状が進行してから痛みが出てくる」ということです。最悪の場合、手術が必要になったり、投げ手を変更することが必要になったりしてしまします。今日、この外側型の野球肘を減らす活動として、全国的に行われるようになってきた「野球肘検診」があります。これは、超音波検査機器を使って肘の内部を検査し、痛みの出ない早期に発見し、治療を行おうというものです。様々な団体や医療機関で行われ、私がサポートしている少年野球連盟でも年1回実施し、毎年の検診で数名の外側型の選手が見つかり、早期発見、早期治療を図っています。

 このように肘を反るというストレスが内側型、外側型の原因となっています。ただ、野球はボールを投げることでプレイが成り立つので、重要なプレイでもあります。繰り返しのストレスで野球肘になるため、「どうすれば肘にストレスがかからない投げ方になるのか」という事も考えていかなくてなりません。この投げ方については次回にお話ししたいと思います。

 野球肘について原因と症状についてお話してさせていただきました。あなたの肘は大丈夫ですか?まずは肘に負担がかかっていないか、野球肘になっていないかをチェックすることから始めてみてはいかがでしょうか?

澤木弘之
「姿勢」について

 今月は理学療法士の内山田が「姿勢」についてお話をしたいと思います。

 姿勢を正すことや良い姿勢を意識されたことはあると思います。特に日常生活の場面で気をつけようとしても、気づくと姿勢が悪くなっている・・・まさに「言うは易し、行うは難し」です。

 では、なぜ人は猫背や頭が前に出たような姿勢になるのか。当然、何らかの怪我や病気で姿勢が悪くなることもありますが、このような姿勢になる大きなポイントは背骨もしくは骨盤の問題が考えられます。

 背骨は重い頭を支えています。頭は5kgほどの重さがありますので、骨や筋肉への負担は少なくありません。本や新聞を読む、パソコンや携帯電話を使用する際には、視線が下がるので、自然と首も前へ倒れる姿勢となります。また、骨盤周りの筋肉が弱くなると骨盤が後ろへ傾きやすくなります。そうすると腰や背中が丸まり「猫背」と言われる姿勢になるのです。このような姿勢を長時間とり続けると筋肉疲労や緊張が解けずに筋肉が固まり、身体に偏りが生じることとなります。それらが、肩こりや頭痛、腰痛を引き起こすだけでなく、時に手足のしびれ、時にマヒなどの悪影響を及ぼす原因となるのです。

 これらの姿勢を良くする方法として筋力トレーニングやストレッチ、体操などの運動があります。しかし、運動と言われても続かない・・・方法がイマイチわからない・・・なんてことも多いのではないでしょうか?

 そのような時は、日常のちょっとした「姿勢」に気をつけることから始めてみましょう!

  • 座る時に変なクセはありませんか? ずっこけた様な姿勢やすぐに足を組む、腰を丸めて座っていませんか?
  • 椅子と机の距離は遠くないですか? 机が低すぎませんか?
  • 背中が丸まって歩いていませんか? 歩く時に視線を前に向けていますか?
  • バックや買い物袋は片方に偏って持っていませんか?

 まずは皆様、実践してみてください。

内山田悟朗
秋の体力作り

 皆様、こんにちは。今月は理学療法士の有本が「体力作りについて」お伝えしたいと思います。

 美味しい食材がテーブルを彩る良い季節がやって参りました。しかし、ついつい食べ過ぎてお腹がポッコリ、なんて事が起きてしまうかもしれません。

 体脂肪が多くなると、身体を支える関節に痛みが起きやすくなります。また、体型の変化により姿勢が崩れると、肩や首、腰に痛みが生じやすくなる事や、転倒しそうになった時に姿勢を立て直す反応が起こりにくくなる場合があります。美味しいものは食べたいです。しかし、体脂肪が極端に増えてしまう事は健康維持の為に避けたいものです。

 そこで、基礎代謝を上げて脂肪がつき難くなったら、いかがでしょう?筋力強化と加齢の相関について以下の報告がありました。

 ある報告では、90歳以上の高齢者であっても、トレーニングの実施により筋力増強が認められたというものがありました。また、別の報告では若年者と高齢者の筋肉痛への修復能力の差がない、また回復に要する時間に差があったとしても、筋肉痛の回復自体には差がないとありました。既にあるご病気の関係上、運動量や負荷の掛け方に注意を要する事はありますが、現時点で行える事は、きっとあると思います。

 筋力増強により代謝を上げ、更に有酸素運動を行う事でも脂肪燃焼効果が上がります。歩く事で関節痛が生じるのであれば、自転車こぎも宜しいと思います。サドルを跨ぐことが怖い場合は、トレーニングジム等で座面が低めのエアロバイクを置いてある施設もあります。屋外での運動が暑ければ、プール内での水中ウォーキングも水の粘性が適度な抵抗を生じさせてくれて、心地よく運動が行えます。

 改めて外出して運動を行う事が難しければ、自宅でテレビを観ながら体操を行う事も出来ます。椅子に座って、お尻の穴を締めて骨盤の奥にある筋肉を鍛えて姿勢改善、足指でタオルを手繰り寄せて足裏のアーチを強化、膝を伸ばしてふとももの強化等、様々な運動があります。これらは日々の歩行様式を改善させ、筋力強化や、肩や腰、膝の除痛にも貢献します。

 運動経験を通じて、ご飯を美味しく食べられて身体が元気になると、一層トレーニングが励みになるかもしれません。宜しければ、お試しして頂けたらと思います。

有本竜也
現代の鍼灸について

 日本の医学は大きく分けると西洋医学(近代医学)と東洋医学(伝統医学)の2つに分けられると思います。西洋医学は古代ギリシャを発祥とし、東洋医学は西アジアからインド、東南アジア、中国などの広いアジアの地域の医療を指します。このうち中国医学、アーユルヴェーダ医学、ユナニ医学は3大伝統医学と言われていますが、日本では、漢方や中国医学(鍼灸など)を指して東洋医学と呼ばれています。

 西洋医学は血液検査や画像診断などで科学的に、かつ局所の変化を細かく分析して診断していきます。それに対して東洋医学は身体全体の状態を捉えて全体の調整をしていくことで、局所の病態を改善していくと言えるでしょう。

 身体全体を診るのにいろいろな情報が必要になりますので正確に状態を捉えるのは簡単なことではありません。例えば皮膚の状態(色、艶、張りなど)、舌の状態、脈の状態、お腹の状態、食事の好みや便通などなど。中でも特に技量が必要なのが脈診(脈の状態を診る)でしょうか。(もちろん西洋医学で行われている徒手検査も必要に応じて行います。)このような方法で得た情報をもとに身体の状態を判断し治療をします。

 日本での鍼灸治療はこのような東洋医学的な治療理論のもとに行う治療と西洋医学的な治療理論のもとに行う治療とがあります。西洋医学的な治療は西洋医学的な診断のもと次のような効果を狙って行います。

  1. 硬くなった筋肉に直接刺して緩める。
  2. 体性ー自律神経反射(体表に鍼などで刺激し、自律神経系に影響を与える)
  3. 鍼刺激が中枢神経系において内因性モルヒネであるエンドルフィン、ダイノルフィンなどを増やす。

 どちらかの治療理論を否定的に考える先生もおられますが、私個人的には東洋医学的な鍼治療も西洋医学的な鍼治療もどちらがより優れているということはないと考えています。患者様が良くなればどちらでもいいのです。身体の状態や治療による反応は患者様によって違うわけですから。

関根達也
「野球肘」について〜その2

 こんにちは。理学療法士の澤木です。

 前回の7月に引き続き「野球肘」についてお話ししたいと思います。前回は症状や原因を中心にお話しました。今回は「どうすれば肘にストレスがかからない投げ方になるのか?」をお話ししたいと思います。

 まず答えから言うと・・・
 「身体全体でしなる」
 という投げ方です。

 どんな投げ方かというと、腕がしなる瞬間、つまり腕が一番加速する時に足先〜骨盤・体幹〜腕〜指先まで全部でしなるということです。ワインドアップからステップ脚を前へ踏み出し、その後、加速する瞬間がきます。この時に軸足の足首から股関節までしっかり伸び、骨盤からお腹、胸までも反っている状態を作り、これに加えて肩から肘、手首までもしっかり反っていることで、身体全体のしなりが使える投げ方になります。横から見ると英語のCのようなカーブを足首から手首まで形作ることになります。

 「なぜ、身体全体のしなりが大切か?」

 なぜかというと、腕だけの場合と身体全体の場合では、しなりの大きさに違いが生まれます。しなりは大きいほど戻ろうとする力が強くなるので、球速アップ、パフォーマンスアップにつながります。これを腕だけのしなりで行うと小さな力のため、球速もパフォーマンスも上がりません。これが指導者の方がよく言われる「腕だけで投げるな」です。腕だけで球速を上げようとするとより多くの力や腕だけのしなりを使う必要があるため、肩肘に負担がかかり、故障の原因になってしまいます。この点を注意して、腕だけで投げていないか?身体全体で投げているか?をチェックしてみましょう!

 このように、パフォーマンスを上げるためにも、障害予防のためにも「身体全体のしなり」を使って投げることが大切だということがわかったと思います。「身体全体のしなり」Cカーブを意識してフォーム作りをしてみてください。

澤木弘之
寒さに負けない身体作り

 本年、最後のリハビリコラムは有本が担当させて頂きます。 年末も差し迫っており、寒さが厳しくなって参りましたが、寒いと血流、血圧や体温に影響し、その結果、体調に影響します。寒さに負けない身体作りをして、冬を乗り切りましょう。

 栄養を摂取して、体内で適切に代謝をする事が、ウィルスや細菌に負けずに日常生活を生きていく上では大切ですが、その為には身体の深部の温度は37度程となっている事が必要とされています。高すぎても低すぎても代謝機能を阻害してしまうので、外気温の変化に身体が適応する必要があります。

 身体の熱は血液にのって全身を巡っており、運動直後や外気温が高い時(体内の熱が多すぎる時)血管が拡がって熱放散を行い、逆に体内の熱が少なく外気温が寒い時は熱が奪われないように末端の血管が縮み込みます。

 寒い時は末端への血流量が低下し、手足等が冷えてしまいます。また、血圧は心臓から全身に拍出する圧力と、末端の血管抵抗によって決まるので、末端の血管が縮まることで血圧上昇への影響も考えられます。

 日常生活で言えば、温かい浴室から急に寒い脱衣所へ移動した際に血圧変動が著明になることがあるのも、外気温の変化に伴って血管の収縮が起きている影響が考えられます。

 そこで、急な外気温の変化に身体をさらさないように、エアコンやストーブ等で気温の調整をする事や、こまめに衣服の着脱等で体温の調整を行う事で身体の負担を軽減する事は可能です。しかし、それらの対応のみでは自身で熱を新たに産生する事にはなりません。

 運動を行う事で身体の中から温めて、血流量を増加させ、代謝を良好にさせる事で、風邪に負けない身体を作り、冬を元気に乗り切ることも出来ると思います。

 寒い中、外に出て運動をするというのは気分が乗らないかもしれません。しかし、運動を始めると身体がポカポカしてきて、冬の寒さの辛さが楽になる事を経験されたら、冬の運動に対する印象が変わるかもしれません。ただし、ご病気等の関係で、血圧や関節痛等の問題があり、主治医の先生から注意が促されている場合は、注意事項を優先なさって頂けると助かります。

 基本的には、運動負荷は軽く汗ばむ程度で、息苦しさや胸の苦しさ・関節痛等無く、怖さが無く取り組める事が運動のポイントになります。運動方法としてはウォーキングや自転車漕ぎなどが望ましいと思われます。

 寒さにより身体が縮こまったままの運動は、怪我の原因にもなるので、十分に柔軟を行いましょう。服装は、運動前に身体を冷やさないように風を通さず、暑くなったら脱げる動きやすい薄手の上着を羽織ります。運動中、身体が温まってくると汗をかいたままにしていると、身体を冷やしてしまう恐れがあるので、汗を吸収・蒸発するウェアやタオル等で対応することをお勧めします。

有本竜也
季節の養生法(1)

 東洋医学最古の医学書と言われている「黄帝内経」(こうていだいけい)があります。これは東洋医学発展の基礎となったもので、この古典の解釈は様々で、今なお研究が続けられています。東洋医学の思想や養生法などについて、黄帝と師の岐白(きはく)との問答の形で書かれています。

 「黄帝が問う。昔の人は100歳を超えても衰えることはないと聞いたが、今の人はなぜ50歳ぐらいで衰えてしまうのか。」2000年以上も前の人が言う昔の人とは一体いつの時代の人をさすのでしょうか。これに対し岐白は、「その頃の人は養生を心得、飲食に節度があり、自然の規則にしたがって無理な力を使わず生活していた。しかしそれを怠り欲情のまま一時の快楽のために精力を尽くした結果、50歳になると衰える」のだと。このような問答の形で書かれていきます。

 しかし、100歳を超えても衰えないとはすごいですね。いくつになっても元気に過ごしたいものですね。そこで、黄帝内経にも書かれている季節ごとの養生法を紹介します。まずは春。

 春の養生法:少々の夜更かしはかまわないが、朝は早く起きる。朝、庭をゆったりと散歩し、髪結いをほぐして、体をのびのびと動かす。これは、春に芽生えた万物と同じように、心身ともに生き生きと陽気を発散させ、天地間の陽気を取り込み、自分自身の陽気も養生するということです。これに背くと、夏になって寒性の病にかかりやすくなります。春は早起きをして陽気をいっぱい取り込みましょう。

関根達也
野球肘に効果的なトレーニング

 こんにちは。理学療法士の澤木です。

 今回も野球肘の話で、「野球肘に効果的なトレーニング」についてお話ししたいと思います。

 最近ではyoutubeやインターネット上で「野球肘、トレーニング」などで検索すると効果的な素晴らしいトレーニングがすぐに出てきます。そんな中でも「肩甲骨が大切だよ。」とか、「股関節の柔軟性がポイントだ。」など、特定の部位にフォーカスしたトレーニングがよく見受けられ、私も参考にしています。

 ただ、気を付けなくてはいけないことが一つあります。

 それらのトレーニングは、ある選手にこのトレーニングをしたら効果があったというものがほとんどで、万人に効果があるかというとそうではないと思います。

 野球肘の場合、肩甲骨の動きが出ていないことが多くあり、その影響で肩や肘に負担がかかってしまっています。ただ、ここで考えなくてはいけないことは、なぜ肩甲骨の動きが出ないのか?というところです。肩甲骨周りの筋力のせい?肩甲骨がくっついている体幹(胸郭)のせい?など、現象を見るだけでなく、原因をしっかり見ることが大切になります。もしかしたら肩甲骨の動きが出ないのは、ほかの部位に原因があるのかもしれません。特に野球の投球フォームにおいては全身の運動であるため、足首が硬い、股関節が硬いなどほかの部位からの影響が出やすいのです。

 例えば、足首が硬いと…
足首が硬い⇒ステップ脚への重心移動が少ない⇒股関節に体重が乗らない⇒骨盤、体幹のしなりが出ない⇒背骨の動きが小さい⇒胸が張れない⇒肩甲骨の動きが出ない

 このように身体の各パーツがどのように影響しているかも考えないといけないのです。全身からの影響をしっかり観察して、原因となっているところにトレーニングを入れる事が大切です。

 野球肘と言っても色々なケースがあります。全身の運動といわれる「投球」は身体の各パーツがしっかり動くことで全身を使って投げることができます。しっかりとした身体を作って全身で投げることで肩、肘への負担は減り、球速も、コントロールもアップします。身体のどの部分が原因なのかを見極め、自分に必要なトレーニングをしましょう。

澤木弘之
転倒には気をつけて

 皆さん、こんにちは。今月は理学療法士の有本が担当させて頂きます。春が近づいてきて暖かい日が多くなってきました。風が強い日もあり、転倒による骨折には気をつけて、外出を楽しみたいものです。

何故高齢になると転倒に伴う骨折のリスクが上がるのでしょうか。
 ホルモン分泌のバランスや運動量、栄養を吸収する消化器官の働き、栄養を運搬する血液の循環状態等が加齢に伴い変化し、骨の強度が低下する場合があります。骨の強度が低下した高齢者が転倒をする事で、ふともものつけ根や手首、肩の付け根、背骨を潰す等の骨折をすることが多く見受けられます。

転倒する原因はどんなことが考えられるでしょうか。
 脳の病気やリウマチ、筋肉の病気、バランス障害や失神を伴う病気、視力障害等、幅広く考えられます。また、重篤な病名が無い場合でも、体幹や下肢の筋力低下や関節の柔軟性低下・浮腫み、骨折後や関節の変形に伴う痛み等も考えられます。

よく転倒が起きる場所として、住み慣れた生活空間で多く発生します。
 例えば、ベッド周辺での動作、伝い場所が確保できていない廊下、トイレでのズボンの着脱時、電気コード・畳やカーペットの縁・床の上に不用意に置かれた物品・床が濡れている等があります。また、足元が暗いことで障害物に気づきにくく転倒につながるケースもあるようです。

転倒を防ぐためのサイン
 そこで「以前よりも何となく歩き難い。長い距離歩けなくなった。少し腰や足が痛い。小さな段差に足を引っ掛けやすくなった。ふらつく頻度が増えた」と、いった違和感は転倒を防ぐ上でのサインとして患者様自身に捉えて頂く事も出来ると思われます。

転倒を防ぐための対策
 例えば、下肢や体幹の筋力アップ、段差解消や手摺の導入等、環境整備をする事で、未然に転倒による怪我を防ぐことが挙げられます。 現在患者様がもっていらっしゃる身体機能を十分に発揮しやすくなる事も可能と思われます。身体の変化や住環境について見直してみるのも宜しいかもしれません。

有本竜也
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