仙台ぶら歩き VOL6

酒の長時間モード

歯科医のH先生は、仙台で何件かの歯科医院を経営している。気さくで話も面白く、すぐに打ち解け合った。食事が始まって間もなく「今日はこの後、何か予定が入っていますか?」と聞かれ、「いいえ、何もありません」と答えると「じゃあ、あと2・3軒お連れしたい店がありますので、楽しみにしていてください」と言われた。この時点で僕は、今日は長い夜になるなと思って、酒の飲み方を長時間モードに切り替えた。

この長時間モードとは、長時間お酒を飲んでもあまり『酔いにくい』『アルコール脱水になりにくい』『二日酔いになりにくい』というメリットがある。説明すると、アルコールを飲むとアルコール血中濃度が上がる。急に上がると悪酔いするし、身体は脱水に近づいていく。これを防ぐには飲んだお酒の量と同じかその数倍の水分を補給することだ。お酒の濃度によっても違うが、ビールなら同量くらい、日本酒・ワインならその2~3倍、ウィスキーロックなら7~8倍が目安だろう。要するに、飲むお酒の濃度を下げて血中濃度の上昇を抑えるというものだ。

ただしここで気を付けなければならないのは、水分はあくまで水がベストだ。カフェインの入ったお茶だと利尿効果が働き、かえって脱水が進む場合もある。このモードなら僕はいつまででも飲める。でもH先生の仙台牛を食べ終わる頃の発言には一同驚愕した。なんと先生「この店の後に2・3杯行きつけのバーで飲んで、その後牛タンのうまい店があるので、そこにお連れします」えっ?僕が皆を代表して「先生、こんなに美味しい仙台牛を食べてお腹いっぱいなので、きっと牛タンは無理なのではないかと思います」と返すと、H先生は「みなさんそうおっしゃるのですが、行くと美味しくてきっと食べられますから、大丈夫です」

郷に入っては郷に従えとすることにした。