鳥インフルエンザ(ワクチンについて)

 今回流行している鳥インフルエンザのワクチンはまだ製造されていませんが、いわゆる季節性インフルエンザのワクチンについてはみなさんご存知でしょう。ウィルスに対する治療法はまずワクチン。もちろん特効薬があるものもありますが、ウィルスの増殖は想像以上に速く、少しでも薬の投与が遅れるとそれこそ命取りになりかねません。
 このインフルエンザワクチンは、少なくとも昨年までは日本では鶏卵法を用いていました。しかし、鶏卵法ではインフルエンザの世界的流行(パンデミック)には対応できない部分があるのです。製造から供給まで約半年以上かかること、また、鶏卵の供給が追いつかない可能性があります。ウィルスの毒性が強いと製造できない、抗原性の変化に対応が困難であるというデメリットがあるのです。
 そこで、現在開発されているのが「細胞培養法」という技術です。これは鶏卵の代わりにイヌやサルの腎臓細胞やアヒルの細胞などを用いるものです。この方法だと製造から供給まで2ヶ月程度で可能となります。そのなかでも今最も注目されているのが、昆虫に特有に感染するウィルスを利用して作る細胞培養法です。これは、ウィルスそのものがなくても遺伝子情報だけでもワクチンを製造できる、しかも最も速く、大量にワクチン供給できる画期的な製造法です。
 いずれほとんどのワクチンがこれらの細胞培養法に置き換わる日もそう遠くないと思っています。