男と女‐第2幕 (その3)『家事ほどつらい仕事はない』

 人間もっともつらいことのひとつに、自分が行った努力や行為が認められないことや無視されることがある。
 家事は仕事の中でこの努力が認められにくい、いや、無視されがちな最たるものなのだ。例えば、今日は特に部屋をきれいにしようと決めて窓もふき、床もピカピカに磨き、さらに花まで飾り彼の帰りを待つ。でも帰ってきても彼は何も気づかないだけでなく、自分の仕事のグチまで言い始めた。この瞬間、あなたは失望の気持ちと悲しい気持ちから逆に怒りが込み上げてくるはずだ。「何も気づかない?」と言ったあとに大喧嘩までいけばまだいいが、このままこれを心に押し込めるとさらに良くない。
 自分の行った努力や行為が認められないまま葬り去られるからだ。これが繰り返されると、誰しもまず無気力になり、その行為から逃げ出そうという傾向に陥る。女性の家事離れや職場進出の原因の多くはここにある。
 外の仕事ならいくらつらい仕事でも努力して成績をあげると上司にほめられ、明るい笑顔やサービスだけでもお客さんの笑顔や感謝を得ることができる。そしてそれは昇給や昇進に結びついていくわけで、家事よりもずっと自分の努力や行為が認められやすいのだ。
 料理にしても同じだ。いくら作ったものがまずくても家族が「うまい」と言ってくれなくてもいい。でも何らかの評価がほしい。「少ししょっぱいかもね」とか、もう少し辛くてもいい」とか。
 しかしながら最悪なのは、家族が自分の作った料理を素通りして、買ってきた納豆や梅干にまず箸を進めた瞬間である。
 教訓3. 部屋の掃除はお互い分担して行い、その大変さを共有しよう。相手の作ってくれた料理から箸をつけるのが原則、それ以外は不可。多少まずくても「うまい」と大声で叫ぼう。